HOME>合併とは?

合併とは?


合併の定義

合併とは二つ以上の会社が結ぶ契約(合併契約)のことを指します。会社の全部、または一部が解散し、権利義務などが一括りに存続会社または、新設会社へ移転をします。解散する会社は、清算の手続きがいりません。
また合併によって、消滅する会社の株主・社員は、存続会社・新設会社の株主・社員という扱いへ変わります。

吸収合併と新設合併の二つ

・吸収合併-権利義務が、合併後に残る存続会社へ移ること。
・新設合併-権利義務が、合併後に新設される会社へ移ること。(合併に関わる会社はすべて解散する)

新設合併に比べ、吸収合併の割合が圧倒的に多いです。合併に伴う解散手続きの手間がいらないことが、理由に挙げられます。

法改正

<経緯>
旧商法では、合併を行う場合、存続会社または新設会社は株式会社でなければならない、と定めていました。
理由1-合名・合資会社が持分会社になったとしても、実益には結びつかないこと
理由2-無限責任である社員の負担が大きくなる

<会社法の改正>
・どの種類の会社にも合併を認める(748条)
・株式会社と持分会社による吸収合併は、持分会社を存続会社とする、
・株式会社と株式会社・持分会社による新設合併は、持分会社を新設会社とすることを認める(751条1項、755条1項)

改正の理由1-株主には同意を得ることで合名・合資会社でも持分会社として妥当であること
改正の理由2-社員への負担は、有限責任しか追わない合同会社を新たに設けたことで解消されるため

対価の柔軟化

・合併に伴う対価は株式に限らず、現金などの財産が認められました(749条1項2号、751条1条3号)

<経緯>
企業再編が求められる現状に対して、「配当金の負担」や「株主構成の変更」、「交付される株式の価値」などの要望を踏まえ、対価を株式以外にも認めたのです。

・反対株主の買取請求権が行使された場合の、価格および手続きの改正(785条、786条)
・存続会社の株主総会の承認を要しない、簡単合併の要件の緩和(796条、797条)
・存続する会社は、対価に支払う株式が存続会社の純資産額5分の1を越えなければ、株主総会の議決に代わって、取締役会の承認(取締役の過半数が一致)により、合併するための手続きを簡略化することができます。
・消滅する会社では、略式合併の場合にのみ簡略化した手続きが可能です。それ以外は株主総会の承認を得る必要があります。

略式合併の新設(784条)

<経緯>
支配の関係にある会社同士が合併する場合は、支配を受ける会社が開く株主総会の決議を必要しないことを、認めました。
さらに、吸収合併により存続する会社、消滅する会社の特別支配会社(90%以上の株式を保有)であるときは、存続会社・消 滅会社ともに、株主総会の承認を受ける必要はない。(784条1項、796条1項)

理由-支配関係にあれば、結論には変更が生じないため。また、略式を許可することで素早く組織の再編が行えることが理由です。

特別支配関係でも株主総会に承認が必要である場合

特別支配関係でも承認を必要とする場合があります。
1.消滅する会社が、「公開会社であること」、「種類株式発行会社ではないこと」、そして消滅する会社の株主へ、合併の対価に交付する株式が「存続する会社の譲渡制限株式」である場合。(784条1項但し書き)
⇒譲渡制限株式はお金に代えにくいため、株主の権利を守るために株主総会の決議が必要となります。

2.存続する会社が「非公開会社」、消滅する会社の株主へ、交付する株式の全部または一部が「存続する会社の譲渡制限株」である場合。
⇒株式の譲渡を制限する非公開会社が株式を発行しますので、株主総会の特別決議が必要となります。

株主の差止め請求

略式合併が、「法令または定款に違反」、もしくは「著しい不当な条件で実行」された場合、不利益を被る恐れがあるため、消滅する会社・存続する会社の株主は、合併の差止めを請求することができる。

対価の種類

消滅する会社の株主や持分会社の社員へ株式または持分に代わる金銭等を交付する場合は、代わりとなる対価について所定の事項を定めるよう、規定を設けています。(749条1条2号)
・代わりとなる対価―金銭、社債、新株予約権、新株予約権付社債、その他の財産(749条1条2号)

対価を交付しない合併

消滅する会社から資産額を超える債務を譲渡した場合には、対価を交付する必要がありません。債務の譲渡により既に対価となる支払いは済ませた、という認識です。

交付金合併

消滅する会社への対価に、金銭だけの交付を行って合併することを、「交付金合併」と呼びます。
存続する会社の株価が上がることで得られる利益を、消滅する会社の株主は受けられません。
存続会社にとっては、株主を増やさずに済みますので、「株主の構成」を維持することが可能となります。

三角合併

吸収合併の一つで、存続する会社の「親会社が発行する株式」を対価に充てた合併のこと。
「吸収される会社」、「存続会社」、「存続会社の親会社」、の三社が絡んだ吸収合併です。

・親会社株式の取得の禁止

会社法135条で、子会社はその親会社である株式会社の株式を取得してはならない、とあります。
⇒吸収される会社は存続する会社の親会社の、発行する株式を持っています。存続会社と合併をすると、子会社が親会社の株を所有している状況が作られてしまいます。
しかし、135条2項2号、「合併後消滅する会社から親会社株式を継承する場合」には適用しない、とありますので、合併による親会社の株式は、消滅する会社が対価として受けることが可能です。

また、800条1項にも、135条の規定にかかわらず、吸収合併等によって消滅する会社の株式等に交付する「親会社株式の総数」を越えない範囲において、親会社の株式を取得することができる、とあります。

・合併に必要な承認

合併する会社同士は「取締役会」の承認に、「株主総会の特別決議」(783条)または「株主総会の特殊決議」の承認を必要とします。

特殊決議とは特別決議よりも重い決議のこと。
・吸収合併、新設合併の契約を承認するために必要な決議です。
・決議は、株主総会で議決権を行使することができる株主の半数以上の出席(これを上回る割合を定款で定めることも可能)と、株主が持つ議決権の「3分の2以上の多数」が必要です。(309条2項12号)

また、吸収・新設合併を行う会社にも条件が定められています。(309条3項)
・吸収合併―合併により消滅する株式会社は「公開会社」であり、株主に対して交付する金銭等の全部、または一部が譲渡制限株式等である場合。
・新設合併―合併する株式会社が公開会社であり、株主に対して交付する金銭等の全部、または一部が譲渡制限式等である場合。

吸収合併とは

消滅する会社の権利義務を、合併後に残る存続会社へ継承することを言う。

<特徴>
・新設合併よりも行われる機会が多い
・登録免許税額は、「増加した資本額」×1000分の1.5(0.15%)。
株式以外の財産が交付された場合は、財務省令で定める「合併の直前と合併後の、合同会社の資本金の差額」×1000分の7(0.7%)

新設合併とは

消滅する会社の権利義務を、合併後に新設される会社へ継承することを言う(合併に関わる会社はすべて解散する)。

<特徴>
・新たに会社を設立するため、許認可、財産権を移転登記など手続きを改めて行う必要があります。
・そのため、吸収合併よりも合併の件数が少ない
・登録免許税額は、新設会社の資本金の1000分の1.5(0.15%)
・継続会社は新たに設立する会社です。消滅する会社の株主への交付には、株式を発行すること必要となります。

©2017 青山東京法律事務所.
ページトップへ